(有)安栄観光(森田安高社長)はこのほど、所有する各船舶の船内トイレに「オールジェンダーレストルーム」の表示を掲げた。石垣島と竹富町内の各離島を結ぶ「離島航路」で運航する船舶会社としては初めての措置。
扉に男女を表すマークとともにLGBTQ(性的少数者)の象徴である虹色の旗などを表記した。
「どなたでもご自由にお使い下さい」とも明記。担当者は「船内のスペースの関係で、元から男女トイレの区別がない。誰でも使用できるが、さらに分かりやすくするため措置を講じた」と説明した。
利用者の受け止めは様々だ。
竹富島を観光予定の男性(30代)は「今はそういう時代。良い配慮だと思う」と強調。
一方で、西表を訪れた女性(60代)=横浜市=は「広く伝わるか分からない。なじみの少ない高齢者を中心に説明が必要では」と求めた。
八重山観光フェリー、石垣島ドリーム観光の両社は、いずれも同様の表記を導入することを検討していないという。
八重観の運航担当者は「(トイレは)当然、誰でも使えるので、今のところは考えていない」と話した。
3社が乗り入れる石垣港離島ターミナルのトイレについて、管理者の市港湾課は、現在の「男子」「女子」「多目的」の区分を維持するとした。