米国のラーム・エマニュエル駐日大使が17日、米軍機で与那国町と石垣市を訪問する計画を巡り、新石垣空港、与那国空港を管理する県は米側に対し、米軍機の民間空港利用を自粛するよう伝えた。米側が指定した時刻に新石垣空港で空いているスポット(駐機場)がないとも回答した。8日午後までに米側からの反応はなく、県も使用許可を出していない。エマニュエル氏は17日午前に与那国町、午後に石垣市を訪問する方向で調整中と見られる。
県管理空港を利用したいとの届け出があった場合、利用が可能な状況であれば、県は書類に不備がない限り受理するのが通例。だが米軍機の場合、米軍には民間空港・港湾の利用を自粛するよう求めている。この場合でも米側は日米地位協定に基づき、民間空港・港湾を利用できる。
今回は新石垣空港で米側が求めた時刻に大使が乗る機材が駐機できるスポットもなかったという。与那国空港はスポットに空きがある。
与那国町によると、米側は17日午前9時25分から午後零時45分まで、与那国空港の利用を求めている。米側はエマニュエル氏と糸数健一町長の面会を求めており、町は17日、糸数町長の日程を空けている。
エマニュエル氏は、与那国町、石垣市の陸上自衛隊駐屯地も視察し、陸自幹部と意見交換を行う見通し。八重山訪問は初めてで、台湾有事をにらみ、地理的に重要な八重山で強固な日米同盟をアピールし、中国の進出を抑止する狙いがあると見られる。
米側の民間空港・港湾利用を巡っては、米海軍が昨年9月に掃海艦を、今年3月にイージス艦をそれぞれ石垣港に派遣。接岸や停泊を行い、報道陣などに艦内を公開した。
昨年10月には陸上自衛隊の石垣・与那国両駐屯地を使用した日米合同訓練も行われた。同時期に在日米大使館は臨時大使代理を石垣市に派遣。訓練を視察し中山義隆市長との面談も行った。