海自掃海艇が石垣寄港 「くろしま」中国艦監視後に移動

15日午前まで停泊する海自掃海艇「くろしま」=13日午後、石垣港

 海上自衛隊の掃海艇「くろしま」=第46掃海隊(おきなわ)所属=が13日、石垣港に寄港した。第1岸壁に接岸し15日午前まで停泊する予定。八重山日報社の取材に対し、海自関係者は「通常任務で入港した。乗員の休暇と補給が目的」と説明した。石垣港は4月、平素から自衛艦の使用が想定される特定利用港湾に指定された。
 掃海艇は、海上や海中、海底などに設置された水中の爆弾(機雷)の除去や設置が主な任務の艦艇。「くろしま」にも専用の装備が設置され、人員も配属されている。武装として機関銃を装備している。
 石垣市には13日午前8時から15日午前8時まで石垣港を利用したいと申請があった。
 防衛省統合幕僚監部は9日、宮古島と沖縄本島の間を中国海軍の情報収集艦が航行したと発表。宮古島沖合にいた「くろしま」が警戒監視を行い、中国艦が太平洋から東シナ海に入ったことを確認した。
 近年、中国艦艇の動向を把握する監視任務に「くろしま」のような掃海艇が活用されている。「くろしま」は9日の任務後、石垣島に移動した。
 台湾や石垣、宮古、沖縄本島の間は民間の大型船舶が行き来する物流上、重要な海上交通路。海自掃海艇の活動は、台湾有事をにらみ中国をけん制する狙いもありそうだ。
 「くろしま」は4年前にも石垣港に寄港し、一般公開されたが、今回は一般公開の予定はない。
 石垣港を巡っては、4月に海上自衛隊沖縄基地隊(うるま市)所属の支援船「水中処分母船・YDT06」が入港し一般公開された。「くろしま」と同様の任務を行う米海軍の掃海艇も昨年9月に入港。米軍は今年3月にイージス艦を石垣港に入港させ、沖合で停泊させている。共に乗員の休養と補給が目的。

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