米国のラーム・エマニュエル駐日大使は17日、与那国町と石垣市を訪問した。日本最西端の与那国町は台湾に近く、石垣市は尖閣諸島を抱える。米大使の八重山訪問は異例で、台湾や沖縄周辺で勢力伸長を図る中国をけん制する狙いがある。エマニュエル氏は与那国町で報道陣の取材に応じ「米国は北海道の稚内から与那国まで日本全体にコミット(関与)する。抑止力がなければ経済的威圧や侵略を受ける」と強調した。
エマニュエル氏を乗せた航空機は午前10時40分過ぎ、与那国空港に到着。在日海兵隊司令官のロジャー・B・ターナー中将など米軍幹部も同行した。
午後11時過ぎに久部良地区の西崎展望台を訪れ、出迎えた糸数健一町長や町幹部と面会。展望台で糸数氏は島が台湾に近い国境離島であると紹介した。
日本最西端の碑で記念撮影した2人は、リラックスした雰囲気で談笑。エマニュエル氏が糸数氏の肩を叩くなど、意気投合をアピールした。
エマニュエル氏は与那国町漁協、陸上自衛隊の与那国駐屯地も訪れた。自衛隊幹部と昼食を取り、午後1時過ぎ、与那国空港から石垣空港に向かった。
米軍機の与那国空港の使用は、記録が残る1997年以降で初めて。県は米側に対し、与那国、石垣両空港の軍用機使用自粛を申し入れた。与那国空港周辺では、エマニュエル氏の来島に反対する一部の住民が抗議した。