県立八重山病院(和気亨院長)は11日「八重山で新型コロナウイルスが大流行している」と住民に注意を呼び掛けた。13日からの3連休や豊年祭シーズン突入を前に、高齢者と会う際はマスク着用を励行するなど、従来の感染予防対策に立ち返るよう求めた。同病院では11日現在、新型コロナで14人が入院。一般病棟は165床あり、現時点で医療が逼迫(ひっぱく)することはないが、現在のペースで感染が拡大すると、医療体制に影響が出る恐れがある。
同病院によると、10日に救急を受診した52人中14人が発熱しており、うち半数が新型コロナだった。入院者14人中、2人は酸素吸入が必要な中等症で、他は高齢で介護者がいなかったり、持病で重症化の恐れがある患者だという。
同病院が他の民間病院・診療所に連絡を取ったところ「発熱外来受診者の5~6割がコロナ」「連日、発熱患者20人前後が受診し、半数がコロナ」「前日検査した患者の9割がコロナ」といった情報が寄せられたという。
和気院長は「肌感覚としては新型コロナが大流行している」と指摘。「13日から3連休が始まる。豊年祭もある。人の交流が盛んになり、流行がさらに広がる恐れがあり、住民には以前やっていた感染対策を思い出してほしい」と訴えた。
具体的な対策としては外出後の手洗い、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)確保、施設訪問などで高齢者と会う際のマスク着用、体調不良の際の外出自粛ーを挙げた。「流行のピークはあと1カ月くらいではないか。それまでは頑張って感染対策をしてほしい」と要望した。
病床の逼迫を避けるため、基本的に発熱外来は、かかりつけ医や民間の医療機関を利用することも勧めた。
現在、沖縄の感染状況は全国最悪。厚労省によると6月24~30日の感染者数は1機関当たり29・91人と、インフルエンザの場合に警報レベルの基準となる30人に迫っている。
離島でも県立宮古病院が入院や手術の一部延期に踏み切っており、医療体制に影響が出始めた。八重山病院は「現状のままだと宮古のようになる」と危機感を強める。