15日午後8時10分ごろ、石垣島の西の空に明るく輝く飛翔体が出現し、10分ほど南西方向に飛行したあと低空の雲に消えた。石垣島天文台元所長で、美ら星ガイドの宮地竹史さん(75)が名蔵・田原浦で飛翔体を撮影。中国が打ち上げた運搬ロケット「長征6号改」と見られるという。
宮地さんは「噴射光が白く輝きながら広がり、ゆっくりと飛翔し、その後ろに噴煙が太陽光で赤みを帯びているロケット雲が見られる」と解説した。
これまでも石垣島では正体不明の飛翔体が何度も目撃され、ネット上でUFОの多発地帯として紹介されることもあった。この日の飛翔体も、近くのホテルの宿泊客が目撃し、話題になっていたという。
宮地さんも過去、飛翔体について専門家として何度か確認を求められたが、その多くを中国のロケットと推定している。近年、中国が宇宙開発を積極的に進め、ロケット打ち上げを次々と成功させていることが背景にある。
新華社は16日「長征6号改」を山西省の太原衛星発射センターから15日に打ち上げ、衛星は予定の軌道に投入されたと報じた。この日、石垣島で目撃された飛翔体と同一と見られる。
中国メディアによると、「長征6号改」は中国が開発した次世代無害・無汚染キャリアロケットで、中国初の固体燃料ブースターを装備し、太陽同期軌道衛星の打ち上げに用いられる。
宮地さんは「自分が実際に飛翔体に遭遇し、写真に撮るとは思っていなかったので驚いた」と話した。