沖縄の衆院選は24日から追い込みの「3日攻防」に突入。4選挙区では自公対「オール沖縄」勢力の対決を軸に選挙戦が展開されており、最終盤は各陣営とも浮動票の獲得に全力を挙げる。物価高騰に伴う経済対策、自民党の「裏金」問題を受けた政治改革が主要争点になっている。
4区では自民前職、西銘恒三郎氏(70)に対し立憲民主新人、金城徹氏(71)、維新新人、山川泰博氏(54)、れいわ新人、山川仁氏(50)が挑む構図。政権批判票が野党3人に分散しており、西銘氏が有利に選挙戦を進めている。
八重山では西銘氏がいち早く自公選挙協力体制を構築し、期日前投票の推進など、組織的な集票活動で他陣営をリード。
金城氏は「オール沖縄」勢力の統一候補として革新支持層を中心に浸透を図る。ただ山川仁氏と支持層が重なり、選挙運動の主体となる革新系市議の結束も保たれていない。
山川仁氏は公示前後に八重山入りを重ねるなど、草の根の運動で地道に支持拡大を図っており、金城氏の支持基盤にも一部食い込む。山川泰博氏は自公、「オール沖縄」勢力の双方に批判的な保守層の受け皿となっている。
公示後の第一声で、金城氏は政権交代による政治改革、西銘氏は物価高騰を上回る賃上げと好循環社会構築、山川泰博氏は教育費の無償化、山川仁氏は消費税廃止と自衛隊の「南西シフト」反対を訴えた。
経済界では、かつて「オール沖縄」勢力の一角を担った建設、流通大手の金秀グループが4選挙区とも自民党候補を支援すると表明した。
従来の選挙戦に比べ「オール沖縄」勢力からの保守層離れが一層進んだ。1~3区の「オール沖縄」勢力は事実上、本土の野党共闘と同一の選挙態勢となっている。4区は革新系野党の分裂で「オール沖縄」勢力の枠組みそのものが崩れた。