仲間氏「追い返された事実ない」 尖閣周辺、中国発表に反論

尖閣周辺海域で「鶴丸」の近くを航行した「海警2501」=15日(仲間均氏撮影)

 中国海警局が尖閣諸島(石垣市)周辺で操業した日本漁船について「中国領海に不法侵入した日本漁船を追い払った」と発表したことを巡り、漁船に乗っていた石垣市議の仲間均氏(75)は24日までにXに投稿し「追い返された事実はない」と反論した。
 仲間氏によると、仲間氏、山下義雄竹富町議ら3人が乗船した「鶴丸」は15、16の両日、尖閣諸島の南小島周辺で操業した。
 海上保安庁の発表などによると、尖閣周辺海域で常駐していた中国海警局の艦船「海警2501」「海警2204」が領海侵入し「鶴丸」に接近しようとする動きを見せた。
 中国海警局は17日、鶴丸について「日本漁船を追い払った」と発表し、日本側に対し尖閣周辺での漁業活動を中止するよう要求した。
 仲間氏は取材に対し「中国船は鶴丸に近づこうとせず、大きく距離を置いて並走しているだけだった。これで『鶴丸を追い出した』と言えるのか」と疑問視。「海警局の発表は国内向けのパフォーマンスだろう」と指摘した。
 中国艦船が鶴丸と距離を保った理由については「動画や写真を撮影されるのを恐れているからだと思う」と話した。
 仲間氏は尖閣周辺への出漁を繰り返しており、中国艦船の動向を含む現場の動画や写真をユーチューブなどで公開している。
 仲間氏によると、以前は鶴丸が尖閣周辺で出漁した際、中国艦船はすぐ近くまで接近してきたが、最近は一定の距離を保ったままだという。仲間氏はXで、中国海警局への反論を英文でも掲載した。
 鶴丸は16日、石垣島に引き返したが、中国艦船2隻は石垣島と尖閣諸島の中間地点近くまで鶴丸を追尾した。海保の巡視船数隻が鶴丸の護衛に当たり、中国艦船を近づけないようにして乗組員の安全を確保した。

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