沖縄本島北部の豪雨被害を巡り、県の初動対応に批判が出ている問題で、玉城デニー知事は15日の定例記者会見で「災害対策本部立ち上げの遅れ、災害救助法が適用困難になっていることなどの指摘をいただいている。重く受け止めて猛省するとともに、直ちに改善を図っていく」と述べた。災害救助法が適用されない場合も「同等の支援が講じられるよう指示している」と明らかにした。
この豪雨では国頭村、大宜味村、東村で家屋浸水や車両の被害、道路損壊などが確認された。初動対応が遅れた理由については「一義的には私が判断できなかった」と自らの責任を認め「二度とそういうことのないような体制に作り直す」と強調した。
豪雨は9~10日がピーク。だが、県が災害対策本部を設置し、国に災害救助法の適用申請を打診したのは大雨が収束した11日だった。
災害救助法の適用申請を巡っては、県によると9日午前4時40分、午前8時45分の2回にわたり、内閣府の担当職員が調整のため担当課の生活安全安心課に電話したが、職員不在のため連絡が取れなかった。
同課職員は午後からは登庁した。また、24時間体制で勤務していた防災危機管理課には内閣府からの連絡はなかったという。
玉城知事は「直ちに防災危機管理課に窓口を一本化し、気象台など関係機関との連絡についても、待つのではなく県庁側から積極的に情報を取りに行き、三役に直ちに情報共有することも含めて体制を指示した」と述べた。
被害が出た当日の自身の動向については「日曜日(10日)は終日、知事公舎で連絡を待つということで待機をしていたが、細かい情報が届かなかったので、確認を取っていなかった。取り組みの遅れの要因の一つになってしまったことを反省している」と説明した。
県は浸水した住居の応急処理、土石の除去などの作業を県費で支援する。独自の見舞金も支給する方針。
2015年の台風21号で与那国町に被害が出た際、県独自の見舞金を支給した事例があることから「与那国町の事例を参考に、支援の金額についても精査を進めている」(玉城知事)としている。
被害状況によっては災害救助法が適用される可能性も残されている。玉城知事は「住民の被害状況の申告も重要」と協力を呼び掛けた。