牛歩「条例に抵触せず」 県、辺野古反対運動巡り見解

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画で、2日に本部港で土砂搬出作業が再開されたことを巡り、県議会(中川京貴議長)では一般質問初日の5日、自民党が反対派による危険な工事妨害活動を止めるよう県に働き掛けを求めた。反対派が工事車両の進行を妨害するため故意にゆっくりと歩道を横断する「牛歩」について、県当局は「港湾管理条例に抵触しない」との見解を示した。
 沖縄防衛局は6月、名護市の安和桟橋で、資材を積んだダンプカーの進行を妨害するため道路上に出た女性を制止しようとした警備員が死亡した事故を受け、本部港でも土砂の搬出作業を中断していた。再開後も反対派が港湾内で牛歩などで抗議を続けている。
 一般質問で島袋大氏は、反対派の妨害行為について「港湾施設の機能を妨げる行為」(3条5項)を禁じ、違反すると5万円以下の過料を定める県の港湾管理条例に違反すると指摘。
 比嘉忍氏も「往来する車の前後に飛び出すのは道交法違反、港湾管理条例違反。県の許可を得て正当な経済活動をしている業者への営業妨害にならないか」と疑問視した。
 又吉正義氏は、反対派の工事妨害活動を放置している県の対応について「県民の命を危険にさらしている状況に加担し、大切な税金の無駄づかいをさせている」と批判した。
 前川智宏土木建築部長は「寝そべるなど明らかに邪魔をする行為は違反に該当するが、支障のない範囲で歩行するのは、条例に抵触しない」と答弁した。
 違反行為には過料を科すと明記した立ち入り禁止看板の設置を要求する島袋氏に対し、前川部長は「反対活動の代表者と面談して、安全を確保することを確認した。県の判断で立ち入り禁止にしていない」と応じなかった。
 死亡事故当時の防犯ビデオ映像について玉城デニー知事は「実務担当が見れば安全対策の検討は可能」と述べ、自身は見ていないことを明らかにした。新里匠氏は「責任を回避するために見ない方がいいと思っているのか。知事にはがっかりした」と追及した。
 安全対策について玉城知事は「北部土木事務所と事業者(沖縄防衛局)で話し合いが進んでいる。事業者も安全対策を進めるべきだ」と述べた。前川部長は、安全対策として周辺の植栽を伐採したと報告した。

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