故翁長雄志元沖縄県知事県民葬(主催・県民葬実行委員会)が9日、那覇市内で開かれた。式辞を述べた玉城デニー知事は翁長氏について「基地問題では、辺野古に新基地を造らせないことを県政運営の柱に掲げ、埋め立て承認の取り消しなど、あらゆる手法を駆使し阻止に取り組まれた」「国と対峙しながらも沖縄の民意を訴え続けた」と評価し、辺野古反対の路線継承を改めて表明した。
安倍晋三首相の代理で出席した菅義偉官房長官は、追悼の辞を述べ、翁長氏について、基地が集中する沖縄の現状打開を目指したと述べた。「沖縄県には大きな負担を担って頂いている。この現状は是認できない」「政府としてできることは全て行う」「基地負担の軽減に向け確実に結果を出す決意だ」と述べた。参列した県民の一部からは「嘘つき」「帰れ」など野次が飛び、会場は一時騒然となった。
参列後、記者団の質問に答えた自民党県連の照屋守之前会長は菅氏に向けられた言葉について「非常に残念だ」と述べ、国も翁長氏と共に沖縄の問題を解決するため尽力してきたと指摘。「それぞれの立場は違うが、国も(翁長氏の)冥福を祈るために来ている。県民も冷静に受け止めてほしかった」と述べた。
県民葬は県や県議会、市長会、町村会、県経済団体会議などが主催。参列者には、菅氏のほか、衆参両院議長、宮腰光寛沖縄担当大臣、国政の与野党の代表者、国内外の出先機関から多くの関係者が参列した。
午後4時前に終了したが、その後は、参列できなかった多くの県民が献花のため会場に足を運び、翁長氏の冥福を祈った。