投票38回も議長決まらず 与野党「協議の場は必要」 与那国町議会7日目

9日も議長選挙が計4回行われた=9日午後、与那国町議会

 与那国町議会は9日、日程7日目を迎え、引き続き議長選挙を行ったが未決に終わった。同日は計4回の投票を行い、初日からの総投票回数は38回となった。取材に応じた与党の前西原武三氏、野党の田里千代基氏は、投票を繰り返すだけではなく事前協議を行う必要があるとの認識では一致したものの、前西原氏は「野党側が応じてくれない」、田里氏は「与党側からの提案が筋」と述べ、歩み寄りは見られなかった。

 同日は午前、午後の各2回投票が行われ、いずれも前西原氏、田里氏が5票ずつで同数に。くじ引きで両氏が2回ずつ当選したが、いずれも辞退した。あいまの休憩時間には、与野党議員の一部が非公式に話し合いを行ったものの、双方ともに「フリムヌ」との発言や机を叩くなどの感情的な対応が見られ、進展には至らなかった。
 取材に対し田里氏は「(事態を進展させるため)協議の場は必要だと考えるが、与党側からの提案が筋だ。今議会は教育長人事が最大の争点となるが、執行部案を通すことはできず、野党側で過半数を確保しなければならない。町政を町民のための行政に誘導することが野党の役割であり、過去3期の外間町政を繰り返してはならない」と述べた。
 前西原氏は「協議の場は必要だが、野党側が応じてくれない。非公式に行っても、きょうのようなケンカ腰となってしまう。教育長の1年半不在や議員定数の4人増など、野党側は数の横暴を続けており、これを繰り返してはならない。現段階では歩み寄ることはできない」とした。
 また前西原氏は「(出張中の)外間守吉町長が10日に戻り次第、対応を話し合う」と述べ「近日中には何らかの動きがあるのではないか」との見通しを示した。

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