日本沖縄政策研究フォーラム(仲村覚理事長)は27日「『琉球処分被害者史観』に対抗する」をテーマにしたセミナーを那覇市のともかぜ振興会館で開いた。仲村氏は明治時代の琉球処分によって「琉球は日本に滅ぼされた」という言説について「沖縄の人々のアイデンティティや精神衛生、そして日本の安全保障にも悪影響を及ぼす可能性がある」と批判した。
県内ではメディアが琉球史に言及する際、「日本が琉球を併合した」などと表現する例が多い。仲村氏は、琉球処分で国王だった尚家が抹殺されなかったことなどを挙げ「誰も滅んでいない。(明治政府が派遣する)県令が統治する制度に代わっただけで、他府県と何も変わらない」と述べた。
「琉球が日本に滅ぼされた」という言説が広がることで、県民に①被害者意識の助長②自己肯定感の低下③中国による侵略の口実④歴史認識のゆがみ―などが生じると危惧した。
セミナーの参加者からは「琉球国自体が宮古、八重山、奄美を侵略して吸収した。とり立てて『琉球が日本に滅ぼされた』という言い方は当たらない」という声も出た。
同フォーラムはこの日を含め、沖縄メディアを批判するセミナーを1月に連続して3回、沖縄本島で開催している。来月の開催も調整中。