沖縄県の米国ワシントン事務所が株式会社として設立され、地方自治法などに違反して運営されていた問題で、県は29日、有識者6人で構成する「ワシントン駐在に関する調査検証委員会」(委員長・竹下勇夫弁護士)の初会合を県庁で開いた。3月までにこの日を含め計5回の会合を開き、法人設立の適法性などに関する報告書を提出する。
玉城知事は初会合の冒頭「今後、ワシントンDCでの活動を続けていく上で、公務に対する信頼を回復するためには、透明性をもって県民に説明する必要がある」とあいさつ。事務所を存続させたい考えを改めて示した。
重点的な調査項目は①事務所を株式会社として設立したことの適法性や妥当性②株式会社「ワシントンDCオフィス社」の運営に関する適法性③手続き上の整理④これまで県が講じた措置の妥当性⑤ビザ取得の妥当性⑥今後のあるべき姿―とした。
委員は弁護士、情報公開に関する専門家、メディア関係者などで、玉城知事は「公平公正、客観的な立場から調査検証していただく」と強調した。
会合は非公開で開かれ、終了後、竹下委員長と吉田大副委員長が報道陣の取材に応じた。
竹下氏は今後も会合を非公開とする考えを示し、理由を「委員の率直な意見をストレートに反映させたい」と説明。ただ資料は原則としてすべて情報開示し、概要版の議事録も公表する。
ワシントン駐在事務所の存続を前提とした議論になるかとの問いには「全くまっさらな状態」と強調した。
吉田氏はワシントン駐在事務所問題の「懸念事項」として、法人登記に関する資料の欠落や、県が法人登記の実を認識していなかった可能性などを挙げた。
個人のX(旧ツイッター)を通じ、調査検証に関する県民の意見匡を取り入れる仕組みを作りたい考えも示した。
調査検証委は今後、県に資料提出を求め、関係者からの聴取も含めて調査を進める。次回会合は2月13日に開かれる。
委員は次の皆さん。▽委員長・竹下勇夫(弁護士)▽副委員長・吉田大(米国カリフォルニア州、ニューヨーク州、テキサス州、ハワイ州弁護士)▽委員・石川恵子(日大教授)、上江洲純子(沖縄国際大教授)、森田純匡(弁護士)、謝花尚(元琉球朝日放送報道制作局長)