石垣市美崎町の将来像を考える「美崎町まちづくりシンポジウム」(主催・美崎町エリアマネジメント)が15日、市役所で開かれた。地域住民などが参加。にぎわい創出で「ウォーカブルタウン美崎町」(歩いて楽しい美崎町)を目指す取り組みや、新たな臨海公園「マリンパーク」(仮称)整備のアイデアについて専門家と意見交換した。
美崎町エリアマネジメント(МAМ)のアドバイザーを務める株式会社ハウマックス代表取締役の滝川幸信氏、なるふ一級建築士事務所代表の内田長興氏が美崎町再開発のアイデアを説明。
滝川氏は「小さな宅地をまとめて大きなビルを建てるイメージが従来の再開発だが、地方都市は建てても入るテナントがない」と指摘。新たな視点で美崎町の将来像を描く必要性を説いた。
その上で①個性的で多彩な魅力施設の集積②街の核になるシンボル施設・広場の整備③美崎町のマネジメント活動の推進―を「ウォーカブルタウン美崎町」実現のポイントに挙げた。
旧市役所跡地とマリンパーク(仮称)を二つの交流拠点とし、双方をつなぐ道路を「交流の軸(シンボルプロムナード)」と位置付けて、にぎわい創出を目指す。想定するイベントとしては、市民が出店するマルシェを例示した。
参加者からは「美崎町から道路一本を離れたところにファーマーズマーケットの『ゆらてぃく市場』がある。離島ターミナル、ユーグレナモール、ゆらてぃく市場をトライアングルにして、真ん中の美崎町を回遊してもらっては」という提案が出た。
一方「日中、美崎町を歩く人はあまりいない。まち全体が夜の社会になっていて、昼間はどこも開いていない」という現状への問題提起もあった。
マリンパークについて滝川氏は「これだけの海に面した土地があるので、生かさないともったいない。このゾーンを海辺の快適な臨海公園として整備することで美崎町全体の価値が高まるのではないか」と期待。公園内に、住民も観光客も楽しめる交流施設の整備も求めた。
МAМの中川和紀代表は「目指すべき道は地域のにぎわい創出だと考えている」とあいさつした。
МAМは2019年、美崎町自治公民館青年部の有志で発足。「世界に誇れる美崎町」を目指し、23年に第1回美崎町まちづくりセミナー、24年に美崎町酒まつりを開催した。