「特定利用」新石垣同意へ 県、今月中の決定検討

 政府が進める「特定利用空港・港湾」指定の取り組みを巡り、県が県管理の新石垣空港、宮古空港、中城湾港の3カ所に限り指定に同意する方向で検討していることが分かった。18日、池田竹州副知事ら県幹部が県議会の与党会派代表に伝達した。2月中に正式決定する。
 玉城デニー知事は12日の県政運営方針演説で指定に関し「整備に係る予算計上方針や整備後の運用などについて県民に強い不安の声があることから、政府に対し、しっかりとした説明を求めたい」と述べたばかり。与党からは「唐突だ」と戸惑う声が上がった。
 池田副知事らはこの日、県議会で与党各会派の代表を集めた会合を開き、指定に同意する方向だと説明。出席者によると、同意する理由として、空港・港湾整備の予算確保が進むこと、空港・港湾の機能が強化され、有事や災害への対処が効率化することなどを挙げた。
 政府の2025年度当初予算に空港・港湾整備の関連予算を盛り込むため、政府からは2月中の同意がタイムリミットと説明を受けているという。
 県内では新石垣空港、宮古空港、中城湾港のほか与那国空港や波照間空港も指定候補に挙がっているが、県は同意を新石垣空港など3カ所に限る方針も示した。
 県の説明後、与党各会派はいったん持ち帰り、対応を協議することを決めた。
 出席した石垣市区選出の次呂久成崇県議は取材に「政府とは水面下で調整していたと聞いたが、急展開過ぎる」と当惑。「指定によって空港・港湾の軍事化が進むことの懸念や、本当に必要な予算が確保できるのかという疑問がある。県民に対し、もっと丁寧な説明が必要だ」と話した。
 特定利用空港・港湾は、自衛隊や海上保安庁の円滑な施設利用に向け、国主導で施設の機能強化を進めるための制度。国が施設管理者との間で円滑な施設利用に関する取り決めも交わす。県内では今年度、石垣市管理の石垣港と国管理の那覇空港が指定された。
 新石垣空港などに関しても地元自治体から指定を求める声が上がっていたが、玉城県政はこれまで慎重姿勢を崩していなかった。

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