石垣市の中山義隆市長は市議会3月定例会初日の21日、議場で2025年度施政方針演説をした。同年度中に予定されている市が主導する石垣―台湾基隆定期フェリーの就航について「八重山圏域における経済の振興に大いに寄与する」と強調。新石垣空港の「特定利用空港」指定を国、県に要望し、大型機の離発着が可能となる滑走路の延長、エプロンの拡張などを進めたい考えを示した。
国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、低所得世帯への給付金支給、事業者への支援を引き続き行う。
24年の出生数が初めて400人を下回ったと報告。出生数の上昇を目指し、各種施策に取り組む。
製糖工場の建て替え支援、新規作物の熱帯果樹の栽培支援、狩猟者研修センター整備への取り組みを進める。八重山食肉センターの機器の整備、改修で海外販路を拡大する。
尖閣諸島問題では、4回目の海洋調査を実施し、国に希少野生生物の保護や上陸調査を求める。門田隆将氏の著作「尖閣1945」の映画化にも取り組む。
整備中のクルーズターミナル施設を25年度に供用開始する。市役所周辺の旧空港跡地は区画整理事業の認可取得に向け、審議会などの手続きを進める。
旧市役所跡地の開発は複合型商業施設の事業化に向けた民間事業者との協議を進めているが、着手に至っておらず、引き続き市のシンボルとなるようなプロジェクトの策定に向けて取り組む。
帰国・外国人の児童生徒に対応するため、日本語学習支援員を1人配置する。
島外医療機関への通院治療を余儀なくされている難病患者などの経済的負担を軽減するため、25年度から航空運賃や宿泊費の助成対象者を拡大。臓器移植に伴う手術や検査が必要な人、18歳未満で、島内医療機関で治療を受けられない18歳未満の人も含める。
新年度は1年間を通じて児童生徒の給食費の半額を支援し、段階的無償化に取り組む。
新博物館の建設位置選定と、美術品を含めた展示内容の検討を行う。
中山市長の任期最後の年度となることから「さらなる市民福祉の向上と市政の発展に全力で取り組む」と強調した。