米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設の賛否を問う県民投票を巡り、投開票など市町村が担う事務の委託への対応に関し、41市町村のうち6市が回答を保留し、35自治体が同意していることが分かった。地方自治法は投票条例の制定に際し、市町村長と協議することを定めており、協力しない自治体が出れば、実現が見通せない可能性がある。
県の辺野古新基地建設問題対策課の担当者が10日、県議会米軍基地関係特別委員会の答弁で明らかにした。
6市は糸満市やうるま市などで、これまでの県の調査に対し「県議会の推移を見た上で決定する」と対応を保留した。不同意の自治体はなかった。ただ、県が負担する投票にかかる費用の受け入れについても市町村議会の議決が必要なため、否決されれば投開票の実施は困難になる。
県の担当者はこうした自治体や議会が出た場合の対応について、委員会で「投票が実施されるような協議を続けていく」と述べるにとどめた。
県民投票を巡っては、条例制定を求める市民グループが必要な署名を集めて県に直接請求しており、現在県議会が審議している。辺野古移設に反対する県政与党が多数を占めるため、条例案は可決される公算が大きい。