在日米海軍の輸送揚陸艦サンディエゴ(佐世保基地所属)と、海上自衛隊訓練支援艦くろべ(呉基地所属)が26日午前、石垣港に入港した。両艦は南ぬ浜町新港地区クルーズバース岸壁に接岸。28日まで同岸壁に停泊する。
サンディエゴは報道陣に公開された。八重山防衛協会も艦内を見学し、レセプションパーティーに参加した。米海軍の揚陸艦が石垣港に入港したのは初めて。
サンディエゴは在沖米海兵隊の隊員など、最大で800人を乗せ、インド太平洋地域の全域で遠征作戦を行う輸送艦。オスプレイや大型ヘリ、ホバークラフト型の揚陸艇・LCACを搭載し、洋上から隊員を島しょ部に投入できる。
米軍には中国が台湾に武力侵攻する「台湾有事」を抑止するため、台湾に近い先島地域で存在を誇示する狙いがあると見られる。日米共同訓練「アイアン・フィスト25」の期間中の寄港となった。石垣港に在日米海軍の艦船が寄港するのは3年連続。
当初の予定どおり、くろべが午前9時ごろに岸壁に接岸。続いて午前10時すぎ、サンディエゴが接岸した。両艦とも南側に船首を向け、左舷を岸壁に着けて停泊した。
クルーズバース前の駐車場や車道の一部は高さ2㍍ほどの鉄板で囲まれ、入口部分には警備員が25日夕方から立った。26日朝には機動隊のバスも駐車し、関係者以外の立ち入りを制限。日米艦船のこれまでの寄港時とは違い、立ち入り禁止エリアは広げられた。
午前10時前から米側が貸切った大型バス4台が同エリアに入り、港湾事業者や石垣市、県警、自衛隊の関係者が出入りした。
バスは市街地と駐車場を行き来するシャトルバスとして運用され、出航前までサンディエゴの乗員が利用する。26日午後には、既に米軍関係者と思われる多数の外国人が観光客に人気の繁華街を訪れた。
サンディエゴの後部甲板上には立食用のテーブルや料理が並べられ、防衛協会や自衛隊・海保の幹部、在沖米国総領事が参加したレセプションが行われた。米盛博明会長は「日米同盟は強固だ。乗員が市民と交流し相互理解を深めることを期待する」と歓迎。
同会は英語で入港を歓迎する横断幕を掲示しサンディエゴ側に対し友好親善をアピールした。
一部の市民や野党市議など約20人は、午前9時ごろに駐車場前に集まり、入港に反対し抗議活動を行った。午前11時までに多く参加者が現場を離れた。