竹富町の前泊正人町長は町議会3月定例会初日の4日、2025年度施政方針演説をした。4月に任期最終年を迎えるにあたり「町民の幸せを第一に町民に寄り添い、どんな小さな声にも真摯に耳を傾け、親切丁寧に行政運営に取り組む」と改めて抱負を述べた。訪問税の導入に向けた条例制定や有事の際のシェルター機能を持つ西表大原庁舎の建設にも意欲を示した。
訪問税については「将来のために必ず実施させなければならない施策」と強調し、導入に向けた関係者への丁寧な説明と意見交換を引き続き行う。条例化、徴収・執行体制の確立に取り組む考えを示した。
西表大原庁舎整備は有事の際のシェルター機能を有する特定臨時避難施設や自然災害時等の一次避難、長期避難を想定した交流拠点施設(多目的ホール)を兼ねた計画で基本設計を実施する。「適切な機能や規模の整備に向けて進める」と意欲を示した。
また、島々の均衡ある発展のために竹富町の経済構造を総体的に明らかにする「産業連関表」を活用し、生産性向上をはかる自治体DXを推進する。新規創業支援事業を実施し、町内で地域経済が循環する地産地消の仕組み化や特産品の拡大を目指していく。
農水産業はさとうきび集中脱用施設、農産物集出荷場整備、漁港施設等の適正利用化の推進に取り組む方針。畜産業においては新たに受精卵移植に係る取り組み支援と、引き続きセリ牛輸送費の負担軽減も継続する。
石垣港と各島を結ぶ物流は10月竣工予定の町有貨物船の安定的な運航体制を構築したい考え。町民等船賃負担軽減事業に係る燃油サーチャージ補助も継続する意向を示した。
妊産婦への経済的負担軽減に向けた女性や高校生までの医療費継続支援、特色ある海洋教育を推進し、スポーツなど各種大会への派遣費支援にも取り組む。