「イデオロギーが命脅かしている 与党、特定利用巡り県政批判 石垣市議会

 国が有事を見据えてインフラを整備する「特定利用空港・港湾」制度を巡り、11日の石垣市議会一般質問で与党の長山家康氏は、新石垣空港の指定に空港管理者の沖縄県が同意していない現状について「イデオロギーで住民の命が脅かされ、発展が阻害されている」と厳しく批判。中山義隆市長は「知事が手を上げないのは本当にナンセンスだ」と改めて早期の指定を求めた。
 長山氏は「指定されると自衛隊や米軍に空港を常時利用されるという懸念を聞くが、現状で自衛隊や米軍の利用実績は」とただした。

 長山氏は「指定されると自衛隊や米軍に空港を常時利用されるという懸念を聞くが、現状で自衛隊や米軍の利用実績は」とただした。
 慶田城課長によると、利用実績は22年度が自衛隊48回(うち急患搬送38回)、米軍5回、23年度が自衛隊117回(同50回)、米軍4回、24年度が2月末現在で自衛隊100回(同43回)、米軍12回だった。
 慶田城課長は「自衛隊や米軍の空港使用による民間機への影響は発生していない。地域住民の生活への影響も特になかったと認識している」と述べた。
 長山氏は「自衛隊、米軍は日ごろから空港を利用している。市も『懸念してなくてもいい』と住民に伝えてほしい」と述べた。
 指定で滑走路延長など空港機能の強化が進むという期待があるが、県議会与党などからは、現在2千㍍の空港滑走路について「延長は不要」との意見が出ている。開会中の県議会2月定例会で玉城デニー知事は、現空港の機能は十分との認識を示した。
 慶田城課長は、新石垣空港で安全に離発着するため、航空会社が座席数や燃料積載量などに制限をかけた運航を行っているとした上で「航空会社からは安全かつ効果的な運用ができるよう滑走路延長、エプロン拡張を要望していると回答をいただいている」と述べた。
 長山氏は、玉城知事や県政与党の言動について「呆れてものが言えない」と批判。「安全保障だけでなく、民需の面でも滑走路延長が求められている」と述べた。
 中山義隆市長は「滑走路延長は災害時、有事の際に住民を円滑に、できるだけ早く逃がすためにも必要だ。知事は地域発展と住民の命、生活を守るためにもできるだけ早く指定に手を上げてほしい」と要望した。

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