24日に開かれた米国ワシントン駐在事務所問題に関する県議会の調査特別委員会(百条委、座波一委員長)に参考人招致された元副知事の謝花喜一郎氏は、駐在事務所が地方自治法などに反して運営されていたことについて「違法だったことは謝らないといけない」と陳謝。一方で「地方自治法が懸念しているような損失を県民に与えたわけではない。実害はなかった」と述べ、活動継続に理解を求めた。
駐在事務所は翁長雄志県政だった2015年、米国で株式会社として設立された。謝花氏は駐在事務所設置の翌16年から知事公室長、18年から副知事を務めた。
大田守氏(維新)は「9年間で9億円の血税が出ている。法律に抵触したことに税金が使われている以上、駐在事務所はいったん閉めてやり直すべき」と謝花氏の考えをただした。
謝花氏は①県が保有する株式の譲渡などは行われていない②駐在事務所の職員は兼業禁止の規定に違反していたが、禁止規定は公務員の公正性、中立性を守るためであり、駐在事務所は営業活動をしていない―などとして「実質上、自治法上の懸念、実害はなかった」と指摘した。
その上で「私は個人的には、そこ(駐在事務所の廃止)までいかなくてもいいと思う。違法状態をしっかり解消して、基地問題解決を米国に発信し、米国の情報を取る対応が必要だ」と訴えた。
大浜一郎氏(自民)は「県民に実害はなかったというが、順法精神の問題だ。それが欠けているから問題になった」と謝花氏の発言を疑問視した。
謝花氏は、駐在事務所が株式会社だったことや、地方自治法などに反した運営について「正直、寝耳に水。百条委設置まで発展したことは当時の知事公室長、副知事として遺憾に思う」と述べた。
また「本来、知り得るべきところでそれを怠ったというなら、過失があったと言わざるを得ない。今となっては言い訳になるが、当時は知る余裕がなかった」と釈明した。
問題が起きた要因について、株式会社設立時の出資金が委託業者への委託金から充てられたことを挙げ「予算が委託料で処理されたことで(株式会社設立に伴う問題に)気づかなかった。金の流れを明確化することが重要ではないか」と述べた。
委託業者に「丸投げ」ともされる駐在事務所の実態に関し「設立当初はさまざまな壁やハードルがあったので委託業者に頼らざるを得なかったと思うが、10年経つので自前で運営できる力を持っていると思う。もう一度、反省すべきは反省して組織体制や身分を議論し、対応してほしい」と活動継続に期待した。
駐在事務所に新たに出納責任者を配置するなど、体制を強化することも提言した。
百条委はこの日、池田竹州副知事も参考人招致した。