オンラインの服薬指導開始 薬剤師不在の与那国で 薬正堂、南大東もサポート

与那国町の旧薬局で薬正堂が開設した「すこやか与那国店」(同社提供)

 県内各地で薬局を展開する株式会社薬正堂(本社沖縄市、宮里早香代表取締役社長)は、5月末に薬局が撤退し、薬剤師が不在となった与那国町で、1日から連携店舗「すこやか与那国店」の運営を開始した。旧薬局施設を活用し、スタッフがオンラインで住民への服薬指導を行ったあと、沖縄本島から医薬品が空輸される。同社は同様に5月末で「無薬局地域」となった南大東島でも1日から連携店舗の営業を開始。医療環境が厳しさを増す2離島で、住民に対する医薬品提供のサポートを継続している。

 与那国町では唯一の薬局だった「ばんた薬局」が運営会社の統廃合に伴い、5月末で閉店。薬剤師が不在となった。このままだと住民が診療所で処方された医薬品を入手できない状況に陥る恐れがあった。
 こうした状況を受け、県内各地で「すこやか薬局」を42店舗展開する同社が「地域医療の安定と薬局の役割を継続的に果たす」として住民の支援に乗り出した。
 旧薬局施設に「すこやか与那国店」を開設。旧薬局のスタッフ1人も引き続き雇用した。現在、沖縄本島から派遣したスタッフと2人体制になっている。
 「すこやか与那国店」と沖縄本島の「すこやか薬局」をオンラインで結び、本島の薬剤師が与那国島の住民に遠隔で服薬指導する。沖縄本島の「すこやか薬局」では薬剤師が約200人勤務しているという。
 住民には診療所の医師が処方する薬品を提供するが、将来的には地域ニーズやスタッフ体制、法的要件に応じて一般用薬品(ОTC医薬品)販売にも柔軟に対応する態勢を目指す。
 「すこやか与那国店」では健康食品、医薬外品を店頭で販売しているが、薬剤師がいないため薬局という位置づけではない。医薬品はオンラインによる服薬指導後、沖縄本島から空輸する必要がある。
 医薬品の処方を受けても空輸は交通機関の状況に左右されがちで、入手までタイムラグがある。離島のハンディを抱え、薬品の安定的な供給が課題になってくる。
 同社は「今後も地域住民が安心・安全に医療サービスを受けられる環境の維持を目指し『連携店舗』運営の安定化、医療アクセスの向上に努める」としている。

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