沖縄県内の日本語学校でつくる県日本語学校懇話会は7日、那覇空港の国際線から入国した留学生に対し、入国時に在留カードを交付するよう国に働き掛けを求める要請書を島尻安伊子衆院議員と自由民主党沖縄県支部連合会の島袋大会長(県議)に提出した。現在、国内の7空港では留学生に対し、入国時に在留カードを交付しているが、那覇空港では国際線から入国後、交付まで約2週間かかるという。要請書では「留学生活動を行う上で非常に不利」と改善を訴えている。
在留カードは日本に中長期滞在する者に出入国管理庁長官が交付し、滞在が適法であることの証明書になっている。
同懇話会によると現在、成田、羽田、中部、関西、新千歳、広島、福岡の7空港から入国する留学生には、上陸許可時に在留カードが交付される。
しかし留学生が那覇空港から入国した場合、実務上、国内の役所で住所登録をしたあとに、同庁が在留カードの交付・発送の手続きをする流れになっている。このため在留カードが手元に届くまで約2週間かかる。
その間、留学生は滞在の適法性の証明が難しい状態になるため、銀行口座や携帯電話の開設などができない。雇用企業から不法滞在を疑われるケースも発生しているという。
4月には那覇市と入国管理庁のネットワーク通信エラーにより、在留カード発行まで1カ月以上要した事例も起きた。
同懇話会は日本文化経済学院(那覇市、仲田俊一理事長)が世話人校を務めており、那覇空港での在留カード交付要請には県内13の日本語学校が賛同した。
7日、同懇話会加盟校であるJSL日本アカデミーの島尻昇理事長が沖縄市にある島尻衆院議員の事務所を訪れ、要請書を提出。「(那覇空港での在留カード交付を)やることで留学生が増え、沖縄の経済発展にもつながる」と早期の手続き改善を求めた。
島尻衆院議員は「外国人留学生が訪れやすい沖縄にすることは、沖縄振興を進める上でも重要」、島袋会長は「政府も沖縄をアジアのゲートウェイ(玄関口)に位置付けている。スピーディに在留カードが交付できる手続きを進め、沖縄での日本語教育や国際交流が盛んになるよう援護射撃したい」と応じた。