中山氏 出直し市長選の意向 野党、候補者選考加速へ 箕底氏、出馬目指す

議案説明のため市議会に出席した中山市長=19日

 石垣市議会6月定例会で不信任を決議された中山義隆市長が地方自治法の規定に基づいて失職し、出直し市長選に臨む方向で調整していることが19日、関係者への取材で分かった。中山市長は29日に失職し、50日以内に市長選が行われることになり、7月20日に想定される参院選との同日選が有力。異例の超短期決戦をにらみ、革新系野党も対抗馬となる候補者選びを加速させる。市議会中立会派の箕底用一市議も出馬の意向を示している。

 市議会は18日、市の専決処分の日付改ざんを問題視して不信任を決議し、同日、中山市長に決議を通知した。市選挙管理委員会によると、中山市長は10日後の28日までに議会を解散しなければ失職する。
 中山市長は19日、八重山日報の取材に対し「(不信任の原因は)行政側のミスなので、議会の解散は考えていない」と明言。失職か辞職のいずれかを検討する考えを示した。28日までに判断するとしている。
 中山氏が失職前に辞職した場合、自らが出直し市長選で当選しても、任期は4期目と同じ来年3月までとなる。29日に失職した場合、出直し市長選に出馬して当選すれば、新たに4年間の任期が始まる。
 中山氏が失職を選択した場合、失職から50日以内、8月17日まで市長選が行われる。
 参院選と同日選であれば事務作業のコストを削減できる。だが候補者に十分な準備期間を与えるため、投開票をできるだけ先延ばしすべきとの考え方もある。選挙期日は中山氏の失職後、選管が判断する。
 自民党石垣市支部は今週末にも市長選の対応を協議する見通し。与党内では現職の5選出馬を「既定路線」として容認する雰囲気が広がっている。与党会派の代表を務める長山家康市議も出馬に意欲を示しているが、与党内が現職支持でまとまれば従う意向。
 ただ、与党内でも不信任決議に反対した公明は、中山氏の5選出馬に対する賛否を明確にしていない。決議に賛成した市議も、中山氏の5選出馬を支持する場合、決議との整合性を市民にどう説明するか問われそうだ。
 革新系野党は今後、候補者選考委員会の会合をペースアップし、早期の候補者決定にこぎつけたい考えだ。県議の次呂久崇成氏、市議の大道夏代氏らの名前が取り沙汰されており、今後、絞り込みを急ぐ。
 箕底氏は19日、取材に対し「保守、革新の双方に支援を求める」と述べ、超党派の支援体制構築を目指す考えを改めて示した。ただ野党関係者は「選考委が箕底氏を選ぶ可能性は薄い。独自候補を擁立する方向だ」としている。

関連記事

八重山日報公式 X(Twitter)

フォローする

ユーグレナ シルバー人材センター たびらいレンタカー ひとし眼科 嶺井第一病院 アイン薬局
ページ上部へ戻る