【解説】辺野古反対の新市長誕生 辺野古反対の新市長誕生 豊見城市長選

 豊見城市長選は、新人の山川仁氏が保守系2候補を破り、革新市政を奪還した。山川氏は「翁長雄志前知事の思いを豊見城市でもしっかりと受け継ぐ」と述べ、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する玉城デニー知事を側面支援する考えを改めて強調した。現在、県内11市中、9市に安倍政権に近い保守系市長が在任しているが、山川氏の当選で一角が崩れる。基地負担軽減策として辺野古移設をスムーズに進めたい安倍政権にとっては知事選に続く打撃となる。

 告示日の7日に開かれた山川氏の出発式では、翁長氏の次男で那覇市議の翁長雄治氏が「山川さんが勝つと、南城市と共に私たちが苦手だった南部で2人の市長を誕生させられる。南部から『オール沖縄』の風を改めて強くしていかないとだめだ」と訴えた。翁長氏の逝去で事実上の瓦解状態に陥った「オール沖縄」勢力だが、知事選後初の市長選も勝ち取ったことで、革新リベラル派を中心とした政治勢力として、県内政局の主導権を何とか確保した。
 ただ今選挙は、保守系の分裂という「敵失」に助けられた面も大きい。保守系候補2人の合計得票は山川氏と拮抗しており、保守層にも配慮した市政運営が求められる。
 保守系市長らで構成する「チーム沖縄」は、今年1月の南城市長選挙に続き、同じく本島南部の豊見城市でも敗北。21日の那覇市長選が正念場となる。

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