アンガマ始まる 住民と珍問答も

ウシュマイとンミーが市内各地の家々を訪問して家内繁栄を願った=4日夜、字新川

 旧盆(ソーロン)入りした4日、あの世から戻った祖先とされるウシュマイ(爺)とンミー(婆)が、ファーマー(子や孫)を引き連れて家々を回る伝統行事「アンガマ」が始まった。訪問先ではウシュマイとンミーが仏壇に手を合わせ、地域住民との珍問答を披露。皆を楽しませた。

 アンガマは四ヶ字や大浜、真栄里、平得などの青年会が実施する旧盆を代表する八重山地域の伝統行事。ウシュマイ、ンミーはファーマーは大勢で住民宅を訪問。居間に座り、家主からもてなしを受ける。

 新川地区では午後7時前、新川字会の宜野座安夫会長(70)宅を青年会一行が訪問。数十人が居間に座り込んだ。ウシュマイ、ンミーが仏壇に手を合わせた後、宜野座さんと共に宴を楽しんだ。
 ファーマーの一部は唄三線で場を盛り上げ、古典民謡を披露。残るファーマーは順番に有名な八重山舞踊を次々と踊った。

 合間にウシュマイとンミーが居間の中央に進み出て、集まった住民と珍問答を行った。「念仏踊(ニンブチャー)の歌詞が分かるか」との問いに、ウシュマイは「分かる。ホワイトボードを持ってきて」と軽妙に返答。
 「親が子を思う気持ちだ。親の愛を歌った歌だ。親の愛は山よりも高く、海よりも深い。親の愛は計り知れない」と話し、子は健康で長生きすべきと諭した。
 宴は1時間ほどで終了。一行は次の家に向かった。

 終了後、宜野座さんは来訪に感謝し「豊年祭も終わった。新川地区の各家庭が無病息災であってほしい」と願った。
 孫の我謝好望ちゃん(3)は昨年、ウシュマイとンミーに驚き、泣いてしまったが、今年は泣かず「怖くなかったし楽しかった」と話した。

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