県内米軍基地の早期返還を期待し、都市計画法に基づいた手続きにより、1974年8月から那覇港湾施設(那覇軍港)地区を開発可能な「市街化区域」に指定されていることについて、沖縄防衛局が「指定は適当ではない」との見解を示していることが、那覇軍用地等地主会への取材で11日までに分かった。
同会はこれまでに、同軍港の市街化区域の指定について防衛局の見解を求めたところ、「日米地位協定第2条に基づき、在日米軍に使用を許している施設・区域であり、現時点では市街化区域としての開発行為は困難であるため、指定は適当ではないと考える」との回答を受けた。那覇市は6月、同会の問い合わせに対し、同地区は「空港や港に隣接し、開発効果が高い地域であるため、早期に返還され、速やかな計画的土地利用が図られることを期待し、市街化区域に編入された」と回答している。
同軍港は県内の防衛施設では唯一の市街化区域。隣接する陸上自衛隊那覇駐屯地などは「市街化調整区域」に指定されている。都市計画法第7条第2項では市街化区域について既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域であると明記されているが、同軍港は1974年の移設条件付き返還合意から約44年経っても返還されていない。