13日告示、30日投開票の県知事選で、公益社団法人日本青年会議所 沖縄ブロック協議会主催の立候補予定者公開討論会が5日、南風原町で開かれ、前宜野湾市長、佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新推薦=と、自由党衆院議員、玉城デニー氏(58)が出席した。佐喜真氏は「普天間飛行場を返還させ、新たなステージに行く」、玉城氏は「辺野古埋め立て承認撤回の是非をこの選挙で問いかけるべきだ」とそれぞれ主張した。
8月に死去した翁長雄志知事の県政運営について玉城氏は「最期の最期まで命懸けで県民との約束を果たそうとした」と辺野古移設反対の姿勢を評価。「争点は経済と福祉、子育て、さまざまな論点があると思う。翁長知事の政策を継承して政策をつくりたい」と述べ、翁長県政の後継者としての姿勢を鮮明にした。
佐喜真氏は「対立や争いや分断からは建設的なものは生まれない」と述べ、普天間飛行場問題で政府と対決してきた翁長県政を疑問視。政府と協調しながら、新たな沖縄振興計画に県民の意思を反映させたい考えを示した。返還後の基地跡地利用、県民所得、子どもの貧困、失業率の改善を課題に挙げた。
クロストークで、辺野古移設の賛否を問われた佐喜真氏は「安全保障問題は国が決める。地方自治体に外交権限はない」と述べるにとどめた。
辺野古埋め立て承認撤回後の展望を問われた玉城氏は「撤回は取るべき手続きだ」と強調したが、国の法的措置で撤回の効力が停止された場合の対応は明言を避けた。
佐喜真氏を推す自民党県連は、投開票日まで時間がないとの理由で当初は討論会をこの日の1回だけに限るとしていたが、その後は応じる方向に転じた。