【視点】普天間返還 打開への決意

 県が米軍普天間飛行場の移設先である辺野古沿岸の埋め立て承認を撤回したことに対し、沖縄防衛局は17日、石井啓一国交相へ行政不服審査法に基づく審査を請求し、撤回の執行停止も申し立てた。普天間飛行場の返還合意から22年経過し、全く前進がない現状を何が何でも打開しようという政権の固い決意を示したものだ。玉城デニー知事は「知事選で示された民意を踏みにじるもの」と反発したが、県と国の対話のみで妥協点を見出すのは難しく、事ここに至れば司法判断に決着を委ねるほかないだろう。
 菅義偉官房長官は18日の記者会見で、住宅や学校に囲まれた普天間飛行場は「世界で一番危険な状況」と改めて指摘。「既に20年以上もかけて地元の皆さんに説明し、市長、県知事の理解をいただいて閣議決定し、現職の知事に埋め立て申請して許可をいただいて、今行っている。まさに目に見える形で結果を出していきたい」と強調した。
 辺野古移設以外に現実的な選択肢が見当たらない中で、これ以上移設を遅らせても、現状の普天間飛行場がそのまま存在し続ける結果にしかならない。もう待つだけ待った。あとは基地負担軽減に着手し、段階的に米軍基地の整理縮小を進めたいという考えだ。
 玉城知事は17日の記者会見で「辺野古新基地は造らせないとの公約実現へ全身全霊で取り組む。これからも対話こそが重要だと重ねて申し入れたい」と述べた。ただ、辺野古移設を阻止したあと、現状の普天間飛行場をどうするのかという展望がまるで見えてこないのも事実である。
 知事選で示された民意と、国の安全保障政策の齟齬(そご)を解決するため、大方が納得できる方法が司法判断ということになる。法廷闘争に突入することがほぼ確実になった以上、国と県はその方向で早期の事態収束を図ってほしい。
 沖縄に対する中国の脅威が増大する状況の中で、日米両政府は、普天間飛行場の無条件撤去には応じられないとの立場だ。県には、現に存在する米軍基地を、たとえ1ミリでも動かす権限はない。その実行力を持つのは政府であり、現に実行しようとしていることは認識する必要がある。

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