「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」の代表運営委員で、専門チャンネルキャスターの我那覇真子さん=名護市=は19日、自身が制作、出演するラジオ番組の放送が一方的に打ち切られたとして、FM21(浦添市)に対し、表現の自由の侵害と精神的苦痛の慰謝料100万円の支払いを求める訴訟を那覇地裁に起こした。
訴状などによると我那覇さんは2016年12月、FM21とラジオ番組「沖縄防衛情報局」を毎週木曜午後7時から1時間放送する契約を締結。番組は同局が提携するFMレキオ(那覇市)、FMもとぶ(本部町)でも同時放送された。
しかし、放送内で我那覇さんら出演者が基地反対派に触れた発言に対し、FM21は「事実確認が不十分」などとして昨年12月に改善を求める文書を出し、今年6月は放送法や放送倫理などに反するとして再び改善を要求。改善がない場合は6月で放送を終了すると通告し、7月以降は番組を放送していない。
19日に県庁で記者会見した我那覇さんは「リスナーから抗議があると言うが、その内容を教えてもらえない。(放送内容を協議する)審議会も不透明で、議事録も公開しなかった。(局側の対応は)非常に不誠実」と憤りを示した。法的根拠のない解約で表現活動の場が制限されたと指摘した。
FM21は八重山日報の取材に対し文書で「放送終了に至るまで、何度か口頭や文書にて放送改善のお願いを重ねた。品性を欠いた表現がエスカレートした」などと放送の終了理由を説明した。