沖縄県内の子どもの貧困対策に関する施策を推進する「県子どもの貧困対策推進会議」の今年度第1回の会合が3日、県庁で開かれた。2016年年度からの6年間の施策を表した「県子どもの貧困対策計画」が今年度3年目を迎えるにあたり、中間評価が議題となった。
中間評価では同計画に掲げる34指標の改善状況について説明され、そのうち5指標(「小学校児童の不登校」、「中学校生徒の不登校」、「高等学校生徒の不登校」、「大学進学率」、「高校卒業後の進路未決定率」)が後退していることが分かった。
不登校について小学校では「漠然と、身体の不調や不安を訴えたり、無気力でなんとなく登校しない」、中学校、高校では「遊び・非行」が要因とされ、スクールソーシャルワーカー等の配置や関係機関との連携強化など対策が図られる。
平敷昭人県教育長は「不登校状態になると学びの保証ができず、将来の貧困につながる可能性がある」と述べた。
大学等進学率や高校卒業後の進路未決定率については、社会状況も含めたさまざまな要因に左右されることが原因とされ、キャリア教育の充実、教員の指導力向上を図る必要があるとした。
商工労働部の伊集直哉産業雇用統括監からは子どもの貧困は親の就業状況も原因であるとし、「県内は99%が中小企業で、企業の経営状態の改善を図って収益が上がるような仕組みが必要。生産性の向上、処遇改善を図るという観点からも施策を展開していくべきでは」と述べた。
謝花喜一郎副知事は「負の連鎖を断ち切るためにはきちんとした職業に就いて、一定の収入を得られるということが重要」と強調した。
中間評価は9月中に有識者会議で意見を聴取したのち、部局意見照会を行ったうえでとりまとめを行う。その後、パブリックコメントを求め、今年度中に計画改定を行う。