【視点】県民投票、拒否も一つの選択肢

 県議会が与党の賛成多数で「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての是非を問う県民投票条例」を可決し、県民投票が実施されることになった。都道府県単位の住民投票としては、1996年に沖縄で実施された米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直しを問う県民投票に次ぎ、全国で2例目という。住民の意思を直接的に問う県民投票の制度自体は意義深いが、今回のものは問題含みだ。石垣市議会は県民投票に反対する意見書を決議しているが、自治体によっては県民投票を拒否することも一つの選択肢になるべきだ。
 条例の可決を受けて玉城デニー知事は「県民投票は地方自治法の直接請求制度により制定請求された条例に基づくものであり、すべての市町村で実施されることが重要」とコメントし、投票事務の移譲について同意を保留している自治体に対し、丁寧に説明、協議を行う方針を示した。庁内に「県民投票推進課」を新設し、県民への周知活動などに取り組む。県民投票への前のめりともいえる積極姿勢は、これによって民意を明確化し、政府と対峙したいという意気込みの表れだ。
 条例によると、県民投票は「賛成」「反対」いずれかの欄に「○」を記入して行う。県民投票の賛否いずれか過半数の結果が、投票資格者総数の4分の1以上に達した時は、知事はその結果を直ちに告示するとともに、これを尊重しなくてはならないとも定めた。結果は首相、米大統領にも通知される。

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