25日午後5時30分ごろ、竹富島の種子取祭奉納芸能初日の最後の演目「曽我兄弟」が終了すると、神前ではイバン(九年母の葉)の儀式が行われ、いよいよ種子取祭のクライマックスともいえるユークイ(世乞い)が始まった。
「豊穣の世を乞い願う」というユークイは、種子取祭を統一した根原金殿をまつるネーレ(根原屋)から始まる。その後、西、東、仲筋の三集落に別れ、ドラや太鼓を打ち鳴らしながらユークイの唄を歌い、夜通し各家々をまわった。このうち西集落の主事宅、クマーヤ(小浜屋)では、大勢の島民や郷友、観光客が一緒にユークイの唄をうたい、最高潮の盛り上がりをみせた。
家主の藤井幸吉さんは「こんなにたくさんの方々に来ていただけるとは思っていなかった」と感激の表情をみせた。また、夜10時ごろに臨時便が運航され、ユークイの雰囲気を少しでも味わいたいという観光客に利用された。(隅田賢通信員)