竹富町婦人連合会(親盛美智子会長)のメンバー6人が30日、町役場を訪れ、地域で抱えているさまざまな課題の解決を要請した。西表島の世界自然遺産登録に向けた取り組みに伴い「何一つ受け入れ態勢が構築されていない」と不安を訴える声が出た。出張中の西大舛高旬町長に代わり前鹿川健一副町長が対応し「婦人の活躍なくして地域の繁栄もない。要望に応じられるよう努力したい」と述べた。
世界自然遺産登録をめぐって竹婦連側は「登録申請にもっと時間をかけ、見切り発車にならないよう、必要な準備を完了してから行うべき」と指摘。上下水道整備、ごみ処理問題、観光客増加による治安悪化や交通事故増加の懸念などを挙げ、対策のマスタープランを示すよう求めた。
町の担当者は、最短で2020年の登録を目指す考えを示した上で「不安解消に向け、関係機関と取り組む」と応じた。
竹婦連メンバーの1人は「学校の派遣などで、子育て中の母親が石垣に来る機会が増えている」と述べ、石垣島での簡易宿泊施設整備や、民間宿泊施設の優先サービス券、割引サービス券の発行を要望。町側は、2020年の整備を目指す石垣支所に簡易宿泊施設を併設する方針を示した。
各離島と石垣島を結ぶ朝、夕の便の運航について町側は「船会社からは、視界不良などの安全性の問題や、採算性の問題で厳しいと回答が来ている」と報告。船賃の軽減事業に活用している一括交付金が2021年度で終了することについては「継続できるよう国、県に要請する」と答えた。
竹婦連は、各島間の格差是正、町予算が使われた施設整備の検証・評価、女性の声を聞く機会の創出なども求めた。
要請には女性町議2人も同行した。