与那国町議会(定数10)は10月31日、本会議を午前10時から開き議長選挙を行い、通算99回目となる無記名投票の結果、前西原武三氏(64)が10票を獲得し、全会一致で議長に就任した。1カ月以上続いた異常事態はようやく収束した。与党は30日夜の協議で議長を出すことを決定。前西原氏は議長就任あいさつで「苦渋の選択」と述べており、野党に対するしこりがまだあることをうかがわせた。今後は議長選の焦点となっていた教育長人事、補正予算などの議案審議が予定されており、議会の勢力は与野党5対5の同数ながら、投票権を行使しない議長を抱えた与党にとっては難しい議会運営を強いられそうだ。
議長選任後、外間町長は「ほっとしている。テレビのバラエティにも取り上げられ、町民に迷惑をかけた。議会に対しては行政の長が入るべきでないと考えていたが、異常事態の収拾が専決だと考えた。そこで打開することを私が引き受けた」と話した。
一方、野党で前議長の田里千代基氏は「異例な結果となった。今回のことはきちんとそれぞれが確認して、責任を果たしていただきたい」と述べた。
町民の60代男性は「きょう決まったのは喜ばしい。もし決まらなかったら町長のリコールに発展しかねない」と話し、ある50代男性は「長かった。もう少し町民のことを考えてほしい」と訴えた。