【視点】一筋縄ではいかない中国との付き合い

 政府による外交努力や日米安保など、国民を守る安全保障体制が幾重にも張り巡らされている。だから県民も市民も、ふだん、そうした危機的な状況を意識せずに済んでいるのである。
 中国は国内で、日本があたかも軍国主義の道を歩んでいるような報道を繰り返し、日本への警戒感を煽るとともに、憲法改正の動きを露骨に非難している。一方で自国は急速な軍拡への道をひた走っており、日米同盟を撃破して西太平洋の覇権を手中に収めようという野心があらわだ。
 共産党一党支配が続く限り、中国のこうした姿勢に根本的な変化は望めないのではないか。中国が民主化されるめどが立たない現状では、八重山や台湾を境界とした日中の対峙は、あと百年でも続くことを覚悟しなくてはならない。
 八重山住民、沖縄県民はまさに当事者であり、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題や、宮古、八重山への陸上自衛隊配備計画の必要性も、そうした視点から改めて意識する必要があるだろう。
 日中平和友好条約締結40年の節目でありながら、両国の国民レベルで友好ムードがなかなか盛り上がらない現状は、中国側の言動にその原因の大部分がある。そうした中、自治体レベル、民間レベルの友好を深めようという石垣市の努力は注目に値するが、過大な期待は持たないほうがいいのかも知れない。
 高齢化や少子化による人口縮小、地方の衰退などの問題を抱える日本に対し、中国は将来、国力をさらに増大させ、米国と覇権を競う超大国に躍り出ると言われる。存在感を増す一方の中国に対し、日本は今後、どう協力関係を築き、さらには渡り合っていくのか、長期的な戦略を組み立てていくことが必要だ。

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