政府は2日、2020年の世界自然遺産登録を目指す候補として「奄美大島、徳之島、沖縄島(おきなわじま)北部および西表島」(鹿児島、沖縄)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することを決めた。菅義偉官房長官が記者会見で発表し「奄美・沖縄の世界遺産登録に向けて、全力を尽くす」と強調した。今年7月に文化審議会が世界文化遺産候補に選んだ「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田)の推薦は来年度以降に見送る。
ユネスコへの推薦枠は年に1国1件と制限されており、政府は自然と文化のどちらの候補を推薦するかを調整していた。奄美・沖縄の推薦は年に続き2回目で、来年2月1日までにユネスコへ正式な推薦書を提出し、20年夏の世界遺産委員会で登録の可否が審査される見通しだ。
菅氏は、奄美・沖縄を選んだ理由に関し「甲乙つけがたいが、ユネスコが自然遺産の候補を優先的に審査対象とする方針であることを踏まえた」などと説明した。