辺野古移設で初協議 政権「信頼関係構築を」

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、杉田和博官房副長官と謝花喜一郎副知事が9日、東京都内で会談した。双方が改めて考え方を説明し、月末の次回会合に向けて、できる限り話し合いの機会を設けることで合意した。菅義偉官房長官が記者会見で明らかにした。菅氏と玉城デニー知事が6日に合意した国と県による協議の初回。11月末まで約1カ月を協議期間としている。

 玉城氏によると、県側は会談を3~4回行いたいと提案した。菅氏は記者会見で「今後、静かな環境の中で忌憚(きたん)のない意見交換が、杉田副長官と謝花副知事の間で行われる」と期待した。
 玉城氏は9日、首相官邸での全国知事会議に出席。安倍晋三首相から「いろいろ話をしていきましょう」と呼び掛けられたと記者団に明らかにした。杉田、謝花両氏の会談については「積極的に対話を申し込み、とことんやりたい。司法に任せると司法決着の道しかなくなってしまう」と述べた。
 政権幹部は「協議期間が過ぎて仮に訴訟となっても、話し合いを続けて信頼関係をつくりたい」と語った。辺野古移設だけでなく、沖縄振興策や基地負担軽減を取り上げる意向も示した。
 辺野古移設を巡り、政府は石井啓一国土交通相が県による沿岸部の埋め立て承認撤回の効力を一時停止したことを受け、今月1日に関連工事を再開した。県は対抗措置として総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」への審査申し出手続きを進めている。
 玉城氏は6日、菅氏と官邸で会談し、対話での解決を要請。菅氏は工事の続行方針を伝える一方、杉田氏と謝花氏による協議の開始で合意した。

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