米軍普天間飛行場の辺野古移設の是非を問う県民投票をめぐり、石垣市の中山義隆市長は12日の記者懇談会で「議会の判断を尊重する」と述べ、議会が投開票事務に必要な予算を否決した場合、県民投票を実施しない考えを示した。
県民投票に対しては「疑問がある」と重ねて述べ、選択肢に普天間飛行場の危険性除去に関する文言が入っていないことなどに改めて不満を示した。議会が予算を否決しても「(県民投票を実施するための)専決処分は考えていない」と述べた。
石垣市議会は県民投票に反対する意見書を可決しているため、投開票事務に必要な予算案が提案されても否決となる可能性が高い。
県民投票には石垣市のほか、普天間飛行場を抱える宜野湾市、糸満市などが慎重な姿勢を示している。投開票事務は市町村に委託され、県の予算支出を受けて、各市町村の12月議会で予算案を審議するスケジュールが想定されている。
石垣市平得大俣地区への陸上自衛隊配備の是非を問う住民投票の実施に向けた署名活動が始まっていることに関して中山市長は「国防や安全保障を一地域の住民投票で決めるのは好ましくないと思うが、市民が正当な手続きで発議するなら尊重したい」と静観の構えを示した。