第58回沖縄県身体障害者福祉展(県、県身体障害者福祉協会主催)が14日、浦添市美術館で始まった。17日まで。県内全域から集まった陶芸、書道、工作、縫製、絵画、写真など計236点が出展された。オープニングセレモニーで浦添市の松本哲治市長は「皆さんの力作、アートの素晴らしさを堪能したい。多様性を認める、みんなで支え合っていく、そういう浦添市を作っていきたい」と祝辞を述べた。
審査会で各部門の金賞、銀賞、銅賞、奨励賞など29作品が選ばれた。浦添市の松本修さん(48)は一晩しか咲かない花「月下美人」を自宅で写真に収め、作品名「一夜の花見会」として出展し、奨励賞に選ばれた。松本さんは脳性麻痺で生まれつき右上下肢機能に障がいを持ち、カメラのシャッターを切るのも苦労するというが、「深夜にタイミングを見計らって、一番綺麗に開花する瞬間を撮った。作品名も3カ月かけて考えた」と話す。暗闇に咲く月下美人のはかなさと美しさが表現された作品となった。「花の絵もよく描く。熱中して夢の中でもアイディアが浮かんでくる」と創作への熱意やひたむきさも語った。
県身体障害者福祉協会の山城充正会長は「県民の理解と関心を高め、芸術文化を通して身体障がい者の社会活動への参加を促進することを目的に開催している。丹精込めた作品をごゆっくりご観覧いただきたい」と多くの参加を呼び掛けた。
入賞した29作品は、12月8日開催の第52回県身体障害者福祉大会で部門ごとに表彰される。