平和イベント、中国欠席 市の招待に反応せず 鐘設置30周年

今年8月15日の終戦記念日に合わせた鐘打式に参加する外国人(新栄公園)

 石垣市が世界各国の大使らを招待し、12月に開かれる世界平和の鐘設置30周年記念イベント「ピースベルアイランド・イシガキ2018」(主催・同実行委員会)に、中国が欠席することが17日までにほぼ固まった。尖閣諸島問題を抱える中、中国との友好を深めようと、公明党が熱烈なラブコールを送っていたが、肝心の中国が反応しなかった形だ。ただ現時点で米国など18の国・地域・機関が参加することは決まっており、市平和協働推進課の玻座真保幸課長は「石垣の魅力をしっかり知ってほしい」と意気込んでいる。

 市議会6月定例会では、公明党八重山連合支部長だった大石行英市議(当時)が石垣島への陸上自衛隊配備問題に絡め「中国脅威論でも基地脅威論でもない。この島は永久に平和の道を歩むべきだ」と、強く中国大使の招聘(しょうへい)を要望した経緯がある。
 市によると、イベントに欠席する理由について中国側から特に説明はなかった。大使の代理人の出席もない。ただ香港から駐日代表機関の首席代表が出席する。市が招待したのは33の国・地域・機関で、中国以外の近隣諸国・地域では台湾、韓国の欠席も決まった。
 尖閣諸島に16回の上陸経験がある仲間均市議は、中国の欠席について「習近平国家主席は、尖閣を念頭に『海洋権益を断固守る』と言っている。尖閣を取りに来ている中で、対立する立場の石垣市にすり寄ることは有り得ないと思っていた」と冷静な見方を示した。

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