米政府、知事に〝ゼロ回答〟 成果なく訪米終える

 玉城デニー知事が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対を訴えるため訪米した。「(米政府当局に)新基地建設反対という県民の民意の本質を伝えられた。全く壁は感じず、実りのある訪米だった」と強調したが、面会に応じた米国務省、国防総省担当者は「辺野古移設の方針は揺るがない」と、知事に〝ゼロ回答〟。翁長雄志前知事と同様、さしたる成果がないままに終わった訪米は、支持者向けのパフォーマンスの感が強い。

 米国人の父親を持つ玉城氏は9月の知事選で「民主主義の国で父親の国でもある米国が、民主主義を標榜(ひょうぼう)する沖縄県民の私と意見交換できないわけがない」と強調、米国との「対話」に期待感を示していた。
 米政府関係者では、ナッパー国務副次官補代行、ボスティ国防総省日本部長代行と面会。県が辺野古沿岸埋め立て承認を撤回したことなどを説明した。しかし会談後、国務省は即座に声明を発表。辺野古移設の日米合意を順守する考えを示すとともに、米軍駐留で沖縄が果たす役割に感謝の意を表した。
 玉城氏は日米両政府と県を交えた3者協議開催を要請したが、米側は返答せず、日本での記者会見で菅義偉官房長官も対応を明言しなかった。
 米政府関係者との面会に先立ち、玉城知事はニューヨーク大で講演し、集まった市民や県系人を前に、戦後73年間の基地の過重負担を訴えた。
 「知事に就任し、考えを伝えられたのは半歩なりの前進だ」「今の状況では沖縄における日米安全保障体制が揺らぎかねない」。14日、記者団に訪米の成果を強調した玉城知事。あくまで移設阻止を貫く構えを示すが、新たな展望は開けていない。

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