石垣市の公営塾で学ぶ高校生たちが、島が抱える医療などの課題を取材し、3本のドキュメンタリー映画を製作した。海外の映画祭に出品し、来月5日には市内で試写会を予定している。1本で監督を務めた上野優祐君(八重高3年)は「高校生でも世界に発信できることを伝えたい」と意気込む。来月27日まで、インターネットを通じて映画の製作資金を募るクラウドファンディングにも取り組んでいる。
公営塾は今年9月にスタートし、大学入試の指導などに取り組んでいるが「生徒たちに社会での実践力をつけてほしい」と、開講に先行して7月から映画製作を始めた。
元フジテレビ記者で、神奈川県逗子市長などを務めた長島一由さんが公営塾講師としてカメラの使用法や取材方法などを伝授。6~7人のチームを3班つくり、生徒の発案で、それぞれ離島医療問題、移住・定住問題、方言継承問題をテーマに据えた。
このうち離島医療問題を取り上げた映画「島で生きていく」の撮影に取り組んだチームは、西表島の診療所などを訪れたほか、インターネットを利用したスカイプで沖縄本島や本土と石垣島をつなぎ、医療従事者や有識者の話を聞いた。