【視点】平和行事、中国不参加でも意義薄れず

 一方、尖閣諸島に16回の上陸経験がある仲間均市議は「中国は尖閣を取りに来ている。対立する立場の石垣市にすり寄ることは有り得ない」とクールに分析していた。
 尖閣諸島は石垣市の行政区域だが、今や軍事組織である中国海警局の船がほぼ常駐状態にあり、10日に1回ほどの頻度で領海侵犯を繰り返している。当然ながら中山義隆市長は領海警備の強化を国に訴えており、中国とは根本的に立場が異なる。
 石垣市は、自治体交流や民間交流を重視する立場からあえて中国大使を招待したが、中国側としては大使が石垣入りした場合、政治利用される可能性を警戒したのかも知れない。もともと招待に応じる可能性は低かったと考えるべきで、不参加は驚きではない。
 意外なのは近隣諸国・地域の台湾や韓国が欠席することだ。尖閣問題は台湾も絡んでいるし、日韓関係もぎくしゃくしている。うがった見方ができないこともないが、平和イベントの趣旨からすれば、あまり外交問題をリンクさせるのは好ましくないだろう。
 中国が不参加であっても、イベントの意義はいささかも薄れることはない。参加国には日ごろ、沖縄や八重山になじみのない欧州の国々なども含まれており、新たに友好の輪を広げるチャンスだ。
 いずれにせよ本番まで1カ月を切っている。市民を挙げての歓迎ムード醸成も急務だ。万全の体制で八重山ならではの「おもてなし」を実践したい。

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