ハワイ沖縄捕虜の手紙 16枚を県立図書館に寄贈

寄贈された手紙には様々な思いが記されている(写真右)県立図書館の新垣忠館長に手紙のコピーを寄贈するハワイ捕虜沖縄出身戦没者慰霊祭実行委員会の高山朝光さん(右)と渡口彦信さん(中央)=21日、新県立図書館館長室

 ハワイ捕虜沖縄出身戦没者慰霊祭実行委員会(共同代表・渡口彦信さん、高山朝光さん)は21日、沖縄戦で米軍の捕虜となりハワイに移送された県出身者が1945~46年当時、ハワイ在住の県系人に送った手紙16枚のコピーを県立図書館に寄贈した。
 「見ず知らず他人でもあられながら暖かきお情にただただ涙が落ちるばかりであります」「皆一所に集まって帰る日を待って居ります。近い中に晴の開放になり沖縄に帰り郷土の建設に邁進したい覚悟であります」。手紙には、捕虜収容所の金網のフェンス越しに物心両面で支えてくれた現地の県系人に対する謝意や、故郷へ戻り再建を決意する気持ちなどがつづられている。
 これらの手紙を保管していたのは、ジミーの稲嶺盛一郎社長の義父でハワイ在住の金城正夫さん。原本はハワイ大学へ寄贈されており、今回、県立図書館に寄贈されたものはそのコピーになる。
 元捕虜の渡口共同代表は「ウチナーグチで話すだけで心に安心感がうまれた。ウチナーンチュに助けられた。今でもその恩は忘れない」と回想する。高山さんは「当時のハワイの人たちの思い、あるいは本人の思いと言うのもかなり伝わってくる。これは後世に残すことは大事じゃないかと思う」と寄贈の思いを語った。
 県立図書館の新垣忠館長は、「この貴重な資料を多くの県民の皆さまに見ていただき、ハワイ捕虜の様子や沖縄県系移民からの支援について多くの方に知ってほしい」と述べた。
 図書館の担当者によると、12月15日オープンの新県立図書館5階に新設を予定している「移民コーナー」に、寄贈された手紙を展示することを検討している。

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