石垣市の中山義隆市長が保守系首長で構成する「教育再生首長会議」の会合に参加した際、旅費や負担金を公費から支出したのは違法だとして、同市の元教員らが22日、市を相手取り、市長と現職、元職の市担当者らに、経費約128万円を返還するよう求める住民訴訟を起こした。
原告の宮良純一郎氏(69)、大浜敏夫氏(71)らは県庁で記者会見し「監査請求を行ったが無視された。(公金支出は)会議の規約に照らしても、活動実態に照らしても違法だ」「税金の無駄使いで教育が歪められてはならない」と訴えた。
訴状によると、2014年5月から今年5月までの会費などへの出費で、旅費として一回で30万円近くを支出したケースもあった。原告らは公金支出の決裁権は、市の部長や係長にあったが、法的根拠があって支出したものではないと主張。
「(公金支出は)議会の承認がいるはずだが、市議会で議論はされていない」と疑問視した。
教育再生首長会議は、約130人の保守系市長らで構成する団体。原告らは、育鵬社など特定の出版社の教科書を普及させる団体だと批判している。石垣市は中学校公民教科書に育鵬社版を採択している。