石垣市自然保護官事務所は27日朝、10月25日白保の国道390号線大里バス停付近で、交通事故のため保護されたカンムリワシを宮良で放鳥した。
このカンムリワシは、たまよせ動物病院で治療を受け、7日から県傷病野生鳥獣保護飼養ボランティア施設(やいま村ゲージ)でリハビリしていた。同施設の担当職員、渡久山恵さんによると、発見当初は顔面から出血し羽をばたつかせていたが、無事に回復。生まれつき左目が見えなく右目だけだが、生命力にあふれ気が強いという。
渡久山さんは「自然に戻っても元気に過ごしてくれると思う」と飛び立つカンムリワシを見送った。片目のため「政宗」と名付けられ放鳥された。
2018年11月現在、石垣島と西表島でのカンムリワシの交通事故はともに6件で、死亡数も同数の5件。一昨年ごろから重症事故や死亡事故が増加しており、車のスピードの出し過ぎが原因とみられる。
渡久山さんは「カンムリワシは低空飛行し車両とぶつかることがある。法定スピードを守り、自然にやさしい安全運転で環境保護を」と呼びかけた。
藤田和也自然保護官は「カンムリワシは八重山の動物の生態系の頂点にあり、生息数の減少は生態系に影響する」と強調した。