元市議ら4人に有罪判決 市長職務強要「犯行悪質」

 ゴルフ場建設地として市有地を提供させるため、当時石垣市議だった今村重治被告(65)、伊良皆高信被告(58)ら4人が共謀し、中山義隆市長を脅迫したとして職務強要罪で起訴された事件で、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)は28日、犯行は悪質だとして、4人全員に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。被告側は控訴を検討している。

 判決は、今村被告に懲役1年6カ月、執行猶予3年(求刑1年6カ月)、伊良皆被告に懲役1年、執行猶予3年(求刑1年6カ月)、一般社団法人理事の押川吉男被告に懲役2年、執行猶予5年(求刑2年)、農業生産法人代表取締役に懲役1年、執行猶予3年(求刑1年6カ月)。
 判決によると、4人が計画していたゴルフ場建設が、市有地の貸し付けや売り払いが受けられなかったため進まず、中山市長の脅迫を共謀。市長と女性が写っている写真を入手し、市有地の利用に協力するよう脅した。
 4人は、共謀と脅迫の事実はなかったとして全員が無罪を主張。だが判決では、2016年1月26日、押川被告が中山市長に写真を示し、建設計画への協力を強要したとし、遅くともこの時点までに、全員が共謀関係にあったと認定した。
 押川被告が最も積極的で、今村被告はその次に積極的だったと指摘。伊良皆被告は今村被告ほど積極的ではなく、農業生産法人代表の被告は必ずしも積極性が高かったとは言えないとした。
 量刑の理由として、「市長にとって不名誉な写真を材料にして、暗に脅迫するという犯行態様は悪質」と非難。今村、伊良皆被告が市議であったことや、4人とも「公判で不合理な弁解をしており、反省しているとは言えない」ことも挙げた。ただ、公務員の正当な職務の執行が現実に害されるまでには至らなかったとして執行猶予をつけた。

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