沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、平良朝敬会長)は2019年3月末に、台湾と韓国にある海外事務所事業を「一定の役割を終えた」と判断し、同事業を終了する。個人旅行の広がりによる旅行形態やインターネットによる情報収集など、観光客のニーズの変化が大きな要因。事務所運営にかかる県の補助金減額でOCVBが一部負担。このため「経営基盤に大きく影響する」とし、県と協議を進めていた。
両事務所は海外観光客の周知促進を目的に1995年に開設。2017年度に沖縄を訪れた外国客数269万人のうち、台湾が81万3千人と最多。韓国も54万4800人と3番目に多い。OCVBは「沖縄観光振興に大きな役割を果たした」としている。
今後の沖縄観光への影響を懸念する声もあるが、担当者は「現地事務所があることが旅行客を増やす得策だとは考えない」と強調する。「現在は富裕層をターゲットに旅行博に出展し、どんどんプロモーションを進めている。県のアジア経済戦略構想もあるので、アジア市場を軽視しているわけではない。ポジティブに捉えてほしい」と説明した。
OCVBでは今後「現地マーケットへの定期的出張による情報収集」「県内航空会社や旅行社の支店・代理店・事業所や駐在員等からの情報収集、連携強化」「沖縄観光情報WEBサイト『おきなわ物語』やSNS等の活用」を進めるとしている。